施設で暮らすお義母さんの居室で
ソファーを撤去、テーブルと椅子に交換してから、
もうすぐ3週間になります。
もちろん、好きでそうしたわけではありません。
ソファーから立ち上がる際のふらつきや転倒の危険を考え、
施設の職員さんとも相談したうえで決めたこと。
年齢を重ねると、
一度の転倒がその後の生活を大きく変えてしまうこともあります。
ところが、お義母さんは納得していないのです。
面会に来た兄弟に対して不満をぶちまけたかと思えば、
「ソファーを買いに行く」と言い出し、
実力行使に出そうになったこともありました。
そして数日前の通院の日。
病院へ向かう車の中でも、
「今日、ソファーを買いに行きたい」
と真顔で言い出す始末。
私たちは何度も説明しています。
転倒防止のためだということ・
危険を減らすための措置だということ・
ところが、その話はなかなか頭に残らないようで
説明してもすぐにリセットされてしまうようです。
さらに困るのが電話です。
お義母さんはその兄弟に何度も電話をかけようとするのですが
しばしば私たちの携帯に間違い電話がかかってくるのです。
きっとまたソファーの話をしているに違いない。
私たちも疲れてきました。
転倒を防ぐために行ったことなのに
こちらが悪いことをしたような気持ちにさえなってきます。
施設の職員さんからは、
「安全面を考えると、今のままの方が良いと思います」
という助言もいただいています。
もちろん、その通りだと思いますが
人間というのは弱いもの。
会うたびに不満を聞かされていると、
「元のソファーに戻したほうがいいのではないか」
そんな言葉が喉元まで出かかるのです。
転んだら自己責任で・・・
そう割り切れればどんなに楽だろうと思います。
しかし現実には、転んでしまったら本人が痛い思いをするわけで
大腿骨を骨折すれば一生寝たきりになります。
目の前の不満を受け止めるべきなのか・・
それとも将来起きるかもしれない事故を防ぐべきなのか・・
繰り返される不満の言葉に心が削られるのです。
介護というのは体力勝負だと思っていましたが
それ以上に気力との戦いかもしれません。
今日もまた電話が鳴りました。
わかっていても愚痴のひとつも言いたくなるオヤジです。
でも奥さんはもっとつらいはず・・・
